学科より

日本と中国の架け橋となる

 

 

みなさんは、名古屋外国語大学の学生として、四年間の大学生活をどのように過ごしたらよいのでしょうか。ここに一つの手がかりを紹介します。

 

大学は、教育を受け、同時に自分なりの探求をする場です。高校までの勉強の仕方を継続するとともに、それとは違った新しい勉強の仕方にとりくむことが、始まります。大学の勉強には、受け身の姿勢ではなく、自主的・自立的な態度が求められます。これを具体的に言いますと、次のようになります。

 

一つには、専門的力量をしっかりと身につけることが必要です。そのために、自分がどのような将来に進むのか、なぜ大学でこの分野を学ぶのかをたえず問い直し、自分の目的を明確にし、専門の力をつけるようにして下さい。中国語学科の学生としての専門的学力は、必要不可欠です。

 

二つには、自分の専門の位置を正しく把握できる広い視野と、柔軟かつ自立的な判断力・思考力を身につけることに努力して下さい。それがやがて、専門的学力を生かすための基礎となります。

 

三つには、中国関係の分野を専門にする場合、近代の日本と中国の歴史を正確に把握し、現代に生きる中国国民の生活と精神に関心を持つことが大切です。

 

中国語学科は、こうした目的を達成するためのカリキュラムを用意しています。

 

中国語学科には、中国人教員が非常勤を含め28名おり、教員全体の70%以上にもおよびます。日本人教員も中国留学経験をもち、中国の社会事情に通じています。私たち教員の研究分野は、語学のほか、文学、歴史、経済、政治などに及んでいるため、みなさんは多方面に学び、自らの問題意識に基づいて探求を進めることができます。

 

また、中国語検定やHSK、ビジネス中国語検定の受験希望者のための授業を行い、学科からの経済的補助があります。教師と学生が3対1で行うPUTは、外国語教育の運用にとってきわめて有力な授業の一つです。

 

このような環境の中で、皆さんの先輩は学外の中国語スピーチコンテストで、毎年多数が優秀な成績を収めています。 学習の成果を収めた先輩たちは、4年次には確かな就職先を得て社会へと巣立っていきます。中国語学科生の就職希望者はほぼ100%の就職率を誇っています。

 

みなさんが、名古屋外国語大学のこのような条件を活かして、豊かな専門的学力を身につけると同時に、自らの課題を探求し、広い視野に立つ柔軟で自立的な判断力・思考力を養うことを、心から望んでいます。

 

この大学を巣立つときに、みなさんが、近代の中国と日本の歴史を知り、中国国民に深い関心を持つ、日本と中国の架け橋となる人材に成長していることを期待します。

 

またこの四年間にみなさんが、分野を問わず、自分の好きなものを見つけ、一生それを大切にすることができればと願っています。