■職名
教授
■担当科目
・中国語B-5・6(講読・文法)
■教員からのメッセージ
現代中国語圏文学を学んで50年が過ぎました。魯迅(ろじん、1881-1936)と村上春樹との影響関係や、張愛玲(ちょうあいれい、1920-95)の恋愛小説、莫言(ばくげん、1955-)の魔術的リアリズム小説など興味は尽きません。最近は台湾文学の李昂(リー・アン、1952-)さんが川端康成『眠れる美女』にデディケイトした『睡美男』を翻訳しています。
昨年は中国滞在期間が長く、日本での映画祭も試写会も全滅でした。7作品はすべて、北京や南京、台北で見たものです。その中では『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト』(江湖儿女)が最優秀でした。かつての賈樟柯映画と比べると、テーマが安易な点に不満が残りますが。
2位『マンハント』(追捕)は1979年の『君よ憤怒の河を渉れ』ブームを懐かしく思い出させてくれました。但し安易にバイクやサイボーグ薬(?)に頼っている点に不満が残ります。
3位『超級大国民』(超級大國民)は、国民党軍による台湾人虐殺の二・二八事件(1947)の犠牲者で、生き残ってしまった者やその家族のトラウマを描いております。昨年刊行の拙訳『海峡を渡る幽霊:李昂短篇集』にも二・二八事件犠牲者の遺族のトラウマを描いた作品を収録しています。
4位『軍中楽園』(軍中樂園)は国民党金門島守備軍の従軍慰安婦設備を、苦く甘く悲しく面白く描いていました。
5位『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』(解憂雑貨店)は東野圭吾の原作小説の映画化でして、同時期に日本でも映画化されており、両作を比較して楽しみました。
6位『妻の愛、娘の時』(相愛相親)を見た直後は、お墓という深刻な問題を軽く描くのはいかがなものか、と不満に思いましたが、中国語圏映画ファンの仲間の感想を拝読する内に、軽さゆえに映画として成立したのだな、と思い直しました。
7位『僕はチャイナタウンの名探偵2』、かつてハリウッド映画やアメリカ・ドラマが在米中国人を描くと、身心共に奇怪な人物像を創作することが多かったのですが、中国映画がアメリカ人外科医を描くとこうなるのか、と興味津々でした(微笑)。
私の主演女優賞は『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト』(江湖儿女)で、山西省大同市の中国90年代的悪趣味のモデルさんが『極道の妻たち』の岩下志麻風の姉御へと成長していくようすを熱演した趙涛に差しあげます。