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平成17年度中国語学科卒業論文概要

 

中国人と音楽――初等音楽教育を中心に

                                                鶴田由紀 

   鶴田さんは、現在中国の小学校で使われている音楽の教科書を丹念にリサーチし、現代中国の音楽教育の特色を論述しました。中国の小学生は、日本よりはるかに幅広く、世界各国の歌や楽曲を学んでいます。また日本では幼稚園や小学校の低学年で学ぶ「お遊戯」や音楽劇を高学年まで連続して練習し、小学校を卒業する頃には、自分たちでミュージカルを上演できるまでになります。鶴田さんは、卒論を書く中で、音楽を楽しむとともに、小さい頃からプレゼンテーションの力を養うのが中国の音楽教育の目標だと理解しました。(指導担当 西川真子)

  

病院広告と「一人っ子政策」の関連 

                                                        西村尚子  

  西村さんは、ゼミナールの学習の中で、中国の新聞『北京晩報』に掲載された産婦人科病院や人工中絶に関する広告に注目し、卒論のテーマを見つけました。「一人っ子政策」は中国社会にさまざまな影響を及ぼしています。病院で実施される医療の内容も一人っ子政策と無縁ではありません。「計画出産」を確実に実施すれば、産婦人科病院は社会に不可欠な存在となります。さらに病院が打ち出す新聞広告も、政府の方針と社会の需要に沿って変容する経緯を論述しました。(指導担当 西川真子)

  

中国の広告と伝統素材 

                                                      日恵野 香 

  経済成長をつづける中国では、人びとの消費意欲は高く、新聞広告にもさまざまなアイデアが盛り込まれています。日恵野さんの卒論では、中国の伝統文化を代表する商品「月餅」と現代産業社会のシンボル「自動車」の広告を中心に取り上げましたが、そのすべての広告から「豊かになって、幸せになりたい」という強い思いが発せられていることがわかりました。中国の月餅市場には外資系食品メーカーのハーゲンダッツが参入し、オリジナリティ溢れる広告を打ち出しています。また自動車メーカーは中国の人々に自動車が身近な商品であるとアピールし、伝統的な墨絵や切り紙の技法を用いて、個性的な広告を作り上げています。中国の新聞広告は見る人の心を引きつける工夫に満ちていると、理解をあらたにしました。(指導担当 西川真子)