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平成21年度中国語学科卒業論文概要

  中国の自動車事情 

                           大高 悠

 今や自動車業界は、自動車生産国にとって「第一工業」と言っても過言ではないほど大きい存在であるが、その一面、昨年の経済危機により下請け企業の倒産が相次ぐなど、自動車業界は景気により左右されやすいという特色も抱えている。つまり、自動車業界は現代社会の中で、経済指標としての機能を果たしているとも言えるため、自動車産業を今回の論文のテーマとする。自動車産業を対象に調査を行うには、さまざまな手法が考えられるが、今回は、2008年上半期(16月)の『北京晩報』の自動車広告を使用して、会社の概況と経営方針、自動車が現代の中国でいかなる存在であるのかを考察した。資料として使用した新聞広告のキャッチコピーやデザインを分析した結果、各メーカーが自社の自動車にどのような特色を持たせてユーザーの購買意欲に働きかけようとしているかが明らかになった。また、中国の自動車業界を日本と比較し、ユーザーから支持されている自動車の特色とその価格帯を確認することによって、中国の経済状況を確認することができた。さら最近では、電気自動車(EV)の分野において中国民営の新規企業が続々参入し始めたが、これらの新しい企業が、従来の自動車業界のあり方に次なる変化をもたらそうとしている状況を認識することができた。今後は、こうした日本には無い成長の激しい中国の現状を理解した上で、世界的な自動車産業の展開について考えなければならない。

                     (指導担当 西川真子)