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2010年度中国語学科卒業論文概要

中国の広告から見る環境問題                                              

加藤 遼子  

  1978年の改革開放以降、中国は急激な経済成長を見せ、低コストの労働賃金が強みで「世界の工場」となり、そして現在は、国民の消費能力向上で「世界の市場」となりつつある。ここ数年で、中国の町並みは高層ビルが多く立ち並ぶように変化した。 しかし、その反面、環境汚染問題が深刻化していることも事実である。中国企業や、新たに参入した外資系企業は、この環境問題から目をそらしていくことは出来ない。さらに、消費者たちは多くの商品が出回る中国の市場において、どの商品が信頼できるものかを自分自身で判断しなければならない。そこで、彼らにとって、広告という媒体も情報収集の大切な手段である。多くの企業は環境を意識した広告を掲載するようになった。この論文では、家電メーカー、家電量販店、自動車メーカーの三つの業種が掲載する環境に関する広告を紹介する。環境を意識した広告は二種類あり、一つ目は、企業や製品のイメージ向上や直接的営利のために環境というキーワードや環境保全を連想させ、環境をうまく利用している広告。そして二つ目は、環境問題を訴え、環境保全活動を紹介するためだけの広告。この二種類に分けられることがわかった。よって、中国の市場において「環境」は、消費者に企業や製品に興味を持ってもらうためや、企業への信頼を得るための一種の戦略なのかもしれない。(指導担当 西川真子)       

 

中国ウェディング事情   

柳川 靖惠  

  中国は1978年の改革開放政策以後、経済成長を続け人々の消費傾向も年々高くなっている。消費意識は結婚産業にも影響を及ぼしており、都市部を中心に、派手な結婚式を挙げるカップルが増えているという現象が見られるようになった。本卒業論文では、初めに、これらの現象がどのような経過をたどって現れたのかを考察し、中国における結婚に関する法令や人口推移、人口構造のデータや新聞記事などを元に、結婚産業にとって好ましい状況が生まれた背景を明らかにした。続いて、映画や新聞記事のほかに、独自に作成したアンケートも利用し、中国の都市を中心とした人々の持つ様々な結婚観を概観しつつ、結婚式場・婚礼写真や車列隊などの中国におけるブライダル関連ビジネスについて考察した。(指導担当 黄嫒玲)