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講演会「目からうろこのフランス文学‐モーパッサン『首飾り』を読む」

 1013日、外大7号館の大教室で、「目からうろこのフランス文学─モーパッサン『首飾り』を読む」と題して、大阪大学名誉教授で、放送大学大阪学習センター所長の柏木隆雄先生に講演をしていただきました。一般の来聴者の方々も交え、フランス語学科の学生達は、終始和やか雰囲気で貴重な文学講座を受ける機会に恵まれました。非常にお忙しい中、講演をご快諾いただいた柏木先生には、学科一同、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 柏木先生は、19世紀の文豪バルザックの著名な研究者で、1999年には、フランス共和国政府よりパルム・アカデミック勲章を受章されています。今回は、19世紀末、短編小説にその本領を発揮した作家ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant)の有名な作品『首飾り』(La Parure)を題材に、文学作品を読み解く面白さを、フランス語の原文も交えながら、具体的且つ説得力をもってお話くださいました。

 私達は、とかく作品のストーリーだけに注目しがちですが、登場人物に付けられた名前から描写に出てくる単語の使い方に至るまで、作者があちらこちらに仕掛けを施している点に注目して読むと、作品がずっと面白く読めるということが今回の講演でわかったのではないかと思います。文学作品というと、とっつきにくいという印象を持っている学生の皆さんもいるかと思います。しかし、作者がどんな仕掛けを施しているか、謎解きのようなつもりで作品を読んでみると、読書が楽しくなるはずです。

 なお、長編小説を凝縮したような味わいのあるモーパッサンの珠玉の短編作品の数々は、そのほとんどが翻訳されています。そのひとつである『モーパッサン短編集』(3巻、新潮文庫)は、最近、学科推薦図書として図書館の専用コーナーに並んでいました。又、原文についても、日本で出版された教科書版からフランスで出版された全集まで、図書館に多数取り揃えてありますから、是非、作品をフランス語で読み味わって欲しいと思います。

 

 

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