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中国語を学び中国を知ると、話したいことが沢山生まれます。
学科教員、卒業生、そして中国人留学生から、とっておきの話をお届けします。

私が夢中になった訳

98生 林由加子

 
 はじめまして、林由加子と申します。私は98年に中国語学科へ入学しました。早いもので、今から14年も前のことになります。懐かしの大学時代から、結婚しママになった今現在までを数回に分けて綴らせていただきます。よろしくお願いします。
 中学・高校時代に英語がとても好きだった私は、大学受験の際も、自分は英米学科に進むものだとばかり思っていました。しかし、何故か英米学科を選択せず中国語学科を選んだ理由、それは「まだ話せる人が少ない中国語を先取りしよう。13億人もの人々と会話ができる!」というとても簡単で単純な理由からでした。英語は大好きでしたが、英語に限らず外国語というものにとても強い興味を持っていたのです。人とは違うことをしたいという変わった(?)性格も奏したのかもしれません。
 無事受験を終え、4月から外大で夢のキャンパスライフが始まりました。早起きしてバスや電車に揺られて講義に向かうのも、授業後にクラスメイトで集まってカフェテリアでおしゃべりに花を咲かせるのも、キャンパスで起こるすべてのことが楽しく輝いていたなぁ、と今懐かしく思います。
 中国語に接するのは大学の授業が初めてだったので、どの科目も真剣に真面目に受講していましたが、最初の頃はまだ「中国語にのめりこむ」までには達していませんでした。 
そんな私がどっぷりと中国語にはまるきっかけとなったのは、ある映画との出会いでした。
 「恋する惑星」。ウォン・カーウァイ監督作品で、フェイ・ウォン、トニー・レオン、金城武 などが出演するラブストーリーなのですが、当時の私はこの映画に出演するフェイ・ウォンの魅力にとりつかれてしまったのです。映画の中のフェイは、少年のようなベリーショートでぶっきらぼうな店番の役でした。彼女のその佇まいと雰囲気に釘付けになってしまい、映画を見終るとすぐインターネットで彼女について隅から隅まで調べてしまいました。(この時以来私の髪形はずっとベリーショートです) そこで「フェイ・ウォンは北京出身で香港に移住した歌手」ということを知りました。
 北京出身=母語は北京語、これが「私が中国語に夢中になった訳」なのです。この映画は、今考えれば私の人生を変えたと言っても過言ではないかもしれません。これを機に、中国語に夢中になり北京へ留学し、中国語を身につけて卒業後台湾に渡り、今の主人と出会い2人の子供に恵まれました。もしこの映画に出会っていなかったら、留学もせず、卒業後地元で就職して、そこそこに生活していたのかもしれません。
 中国語学科に入って、どのような形で中国語の魅力にはまっていくかは人それぞれですが、私であれば「恋する惑星」のように、「心をつかんで放さないもの」を見つけて中国語にのめり込み、その結果中国語をものにする、という人も少なくないのでは?と思います。私を変えた「恋する惑星」は今でも一番好きな映画、フェイ・ウォンはこれからもずっと、私にとって永遠のアイドルです。       (つづく)

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