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自信を持って行動を!

―奥村昭夫先生のお話から学んだこと―

11生 石上知尋

私は今まで、デザイナーという仕事は感覚やひらめきを形にしていくものだと考えていましたが、奥村先生は常に様々なものを研究し、依頼者が何を伝えたいかを考え言葉にして形作っていくということが大切だとおっしゃっていました。このお話は、私が持っていたイメージとは大きく異なりました。

 

私は現在、ゼミで中国の新聞広告を勉強していますが、その中には企業側が何を伝えたいかわからないものが多々あります。中でも気になった広告が一つあります。それは3年生の後輩が紹介したミネラルウォーターの広告で、ヨーロッパ13か国に進出したことを祝う内容でした。デザインが強烈でした。赤色のバックに黄色の文字でのキャッチコピー、上の部分にはお祝いを表現した花火が描かれ、下の部分にはミネラルウォーターを表現した氷河と商品が挿絵で描かれていたのです。

 

私はミネラルウォーターに対して“爽やか”や“新鮮”といったイメージを持っていましたが、この広告には暑苦しさを感じてしまいました。祝うことを表現するために赤や花火を用いたのでしょうが下の部分に描かれた氷河とのバランスもとれておらず、私は残念ながら雑だなという印象を持ってしまいました。

 

講演で奥村先生は「いいものは飾る必要がない」とおっしゃっていました。私はまさにその通りだなと大変共感いたしました。このミネラルウォーターの広告も背景や挿絵でインパクトを与えるのではなく、商品を堂々と描けばもっといいデザインになったのではないかと感じました。

 

今回の講演会のテーマは「デザインと国際交流」というテーマでした。中国や韓国でもデザインのお仕事をなさっている奥村先生はきっと語学も堪能なのだろうと私はイメージをしていました。しかし講演会冒頭で「私は語学が苦手で……」とおっしゃられてとても驚きました。それではたとえ通訳の方がついたとしても伝えたいことに行き違いが出て大変そうだと思ったのです。

 

今まで私は外国の方と交流するには自分自身が言葉を話せ、相手の言っていることを理解できることが最も大切とばかり考えていました。相手の国の文字の起源や文化についての知識はコミュニケーションを取るうちに自然とついてくるものだと考えていました。しかし奥村先生は私とは正反対で相手の国の文字や文化を知り、研究することで語学の壁をのりこえておられるのだと納得しました。今まで留学生と交流する機会も度々ありました。しかし私自身が相手の文化を知っていればもっと会話が弾み、楽しいものになったのかもしれません。残りの半年間でこの経験を踏まえ、より濃く、楽しい交流をしていきたいと思います。

 

今回の講演会は私にとってとても学ぶことが多くありました。中でも奥村先生の外国の方とのコミュニケーションの取り方が印象的でした。私は多くの外国人のお客様と関わることができる職場から内定をいただき、来年からは社会人として生活していきます。職場ではお客様と英語や中国語を使ってコミュニケーションをとっていくことでしょう。

 

そんな中でうまく言葉を伝えられない場面や国柄や文化の差に悩む場面もあるかもしれません。しかし今回の講演を聞いて相手を理解する方法を私は知ることができました。ですから今から様々なことに目を向け、理解をし、知識を蓄えて行こうと思います。来年には胸を張って新しい環境で働いていきます!

 

 

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