風物
13生 藤井康平
霜が降る月という11月、太陽が沈んだ時間は寒く、侘しい日々を送る私にとって、家族の優しさに似たあの布団のぬくもりが恋しくなります。毎朝、布団から出る時の葛藤が私の中で、この時期の風物詩となっています。
突然ですが、11月11日は何の日でしょうか?
「第一次世界大戦終結の日」や「聖マルティヌスの日」が有名ですよね。では、中国はこの日を何と呼んでいるのでしょうか?正解は「光棍節」です!意味は「独身者のための記念日」だそうです。中国語で独身者のことを「光棍」といい、11月11日は棒が4本並んでいるように見えたため、記念日に選ばれたそうです。独身者を祝う・・・余計なお世話だ!
そんな、めでたい(?)記念日は近年、中国では熱い記念日となっています。冬の寒さなんてどこ吹く風、この一日は中国のネット市場で世界中の人が買い物に精を出します。「自分へのご褒美を!」をコンセプトにした阿里巴巴という会社がビックセールイベント「双11」を開催するからです。
このイベントは欲しいものをこんなに安いのか!?と驚愕する値段で手にすることができるため、多くの人がこぞって買い物をします。取引額は1日でなんと143億ドル。出店した日本企業がこの1日で半期分の売り上げを出したという話もちらほらと小耳にいくつか挟みました。このイベントの熱さには冬が裸足で逃げるのも仕様がないですね。
ちなみに、日本では11月11日は「ポッキー&プリッツの日」が有名ですね。当日、私はトッポを齧っていましたが・・・
甘いものを食べていたら、辛いものが食べたくなりませんか?それに季節は冬ということで体を温めてくれるものも恋しくなりますよね?
辛くて冬に身体を温めてくれる熱いものといえば、皆さんは何を思いつきますか?私は中国語学科生ということで、「火鍋」が思いつきました。火鍋は、熱くて辛いので、食べると身体がポカポカします。それに、みんなで鍋を囲んでワイワイと心も温まります。各地域や家庭によって入れる具材や味付けが違うが鍋料理の醍醐味でもありますね。特に中国では地域によって味付けが大きく異なるので食べ比べをしてみたいものです。私の行き付けの中華料理店では唐辛子をふんだんに使った真っ赤な火鍋を提供してくれます。美味しいのですが、食べている途中に舌がピリピリして味が消えます。
真っ赤で舌がピリピリするというと「台湾ラーメン」も外せませんね!「台湾」って付くくらいだから中国の台湾でもよく食べられているのだろうな、と思いましたか?でも、実は「台湾ラーメン」、日本生まれなんですよ。しかも、名古屋でしか、お目に掛かれないご当地グルメ!発祥は名古屋の『味仙』という台湾料理店だそうです。今池に本店があり、セントレアや矢場町、藤が丘、日進にもあります。大学の帰りなどに寄ってみてはいかがでしょうか?あの辛さクセになりますよ。
記念日や食べ物など、この時期だからこそ味わえるこの時期だけの風物詩が身の回りにはたくさんあります。これを機会にぜひ、あなただけの風物詩を探してみてはいかがでしょうか?ただし、霜を履みて堅氷至ると言います。今年もあと僅か、気を引き締めていきましょう!